応用数学 繁田研究室

研究室のサイトへ

自然現象をコンピュータで速く正確に再現する数学

ご挨拶

数学とコンピュータの力で、自然現象を読み解く

 応用数学研究室では、自然現象を表す数学の式である偏微分方程式を、コンピュータで速く正確に解くための数値計算手法を研究しています。
 波の散乱、熱の伝わり方、電磁波の振る舞いなど、私たちの身の回りの多くの現象は偏微分方程式によって記述されます。しかし、現実に近い問題ほど計算量は大きくなり、高速で高精度な計算手法が必要になります。
 本研究室では、数学の理論とコンピュータによる計算を組み合わせ、無限に広がる空間での波の散乱問題に対して、ディリクレ?ノイマン写像(Dirichlet-to-Neumann写像、DtN写像)、基本解近似解法(Method of Fundamental Solutions、MFS)、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)を用いた効率的かつ高精度な数値解法の開発に取り組んでいます。
 また、境界で観測されたデータから内部の情報を推定する逆問題の数値計算についても研究しています。数学は、直接見ることのできない現象を理解するための強力な道具です。

?

研究概要

非有界領域問題の数値計算

 波の散乱問題では、障害物の周囲に無限に広がる空間、すなわち非有界領域を考える必要があります。しかし、コンピュータ上で無限に広がる領域をそのまま計算することはできません。そこで、人工境界を導入して計算領域を有限の大きさの有界領域に切り取り、その境界上で外部領域の影響を正しく表現する方法が重要になります。
 本研究室では、境界上の値から法線方向の変化を対応づけるディリクレ?ノイマン写像(Dirichlet-to-Neumann写像、DtN写像)を用いることで、外部領域の影響を透明境界条件として表現し、非有界領域問題を有界領域問題へ帰着させて高精度に解くための数値計算を行っています。
 具体的には、DtN写像をMFSによって離散化し、さらにFFTを利用することで、大幅な計算時間の短縮を実現する手法を研究しています。円形人工境界上に点を規則的に配置すると、計算に現れる行列には巡回構造が現れます。この構造を利用することで、従来は大きな計算時間を要した処理を高速化できます。実際に、透明境界条件に用いるDtN写像の計算部分では、従来手法で10分を超える計算が、提案手法では0.01秒程度で実行できる例も得られています。

?逆問題の数値計算への展開

 逆問題とは、観測された結果から原因や内部構造を推定する問題です。たとえば、外側で測定された波のデータから内部の障害物や媒質の性質を推定する問題は、非破壊検査や医療画像診断などと深く関係しています。

 現在の主な研究は非有界領域問題に対する高速数値計算ですが、そこで用いられるDtN写像は様々な逆問題の数値計算とも密接に関係しています。境界で得られる情報をどのように数値的に扱うかという視点から、順問題と逆問題の両方に役立つ計算手法の構築を目指しています。

教員紹介

繁田 岳美 教授 / 学位:博士(理学)

  • 研究分野:偏微分方程式の数値計算
  • 担当科目:微分積分学(1年前期)
    情報科学実習(1年前期)
    線形代数学(1年後期)
    薬学リテラシー(1年後期)
    総合薬学研究(4~6年)

dummy

詳細を見る

もっと詳しく

研究室のサイトへ